健康コラム 『アフターコロナ』

　政府は新型コロナウイルスの感染症法上の分類を、大型連休明けの５月８日から【５類】に引き下げました。季節性インフルエンザと同じ分類にし、コロナ以前の社会・経済活動を取り戻すための大幅緩和に踏み切りました。支援や対策などは縮小されます。自己負担分を公費負担だったコロナ関連医療費は、公費分を順次減額します。スポーツ観戦、コンサート鑑賞は観客収容率50％以下でしたが、マスク着用なら収容率を１００％に戻し、声出し応援も可能となりました。出入国の水際対策など多くの規制も見直されます。

　５月８日を移行日としたのは年度が替わり、統一地方選が行われる４月に自治体などの準備に支障、混乱が生じないよう配慮したとしています。移行により入院勧告、行動制限、特措法に基づく緊急事態宣言、蔓延防止等重点措置といった法的拘束力は撤廃されました。マスク着用は個人の判断に任されました。欧米では昨年の上半期に、通常対応に戻す国が大多数になっていました。欧米に比べ切り替えが約１年遅れました。５類への変更は５月下旬に行われるＧ７広島サミット（先進７カ国首脳会議）を前に、正常化した国の姿を世界にアピールする狙いもあるようです。

　新型コロナウイルスは２０１９年（令和元年）12月初旬、中国の武漢市で第１例目の感染者が報告されました。日本では武漢から帰国した類似患者を行政検査し、翌年１月15日感染症の国内１例目と判定。ＷＨＯ(世界保健機関)に報告しました。発生から数カ月でパンデミック（世界的流行）となり、国際社会を震撼させ多方面に甚大な被害をもたらしました。ウイルスはアルファ型、デルタ型（従来型）から、２０２１年冬以降は変異を続けるオミクロン型へと進行しました。オミクロン型は免疫を回避することで感染力は強まりましたが、その分だけ病原性は衰えたというのが医学界の判定です。

　また、５類への移行は遅すぎたとの議論があります。背景に１波から始まり７波、８波と流行の周期が訪れるたびに、病床が埋まり医療が逼迫する「毎回同じ光景」が繰り返されたからです。科学的、医学的なデータを武器にする戦略に乏しく、感染症への対応に関する日本医療の弱点が現れてしまいました。

国際会議では出席者のほとんど全員がマスクを着用せず、脱マスクが日常になっています。爆発的感染を回避した日本の当初対応は、世界から高い評価を受けました。しかしながら、時間が経過してもマスク着用、ワクチン接種で良かったのか。検証が必要のようです。

　季節性インフルエンザ並みに評価は落とされても、新型コロナウイルスの蔓延にストップがかかった訳ではありません。ワクチン、治療薬は進化しましたが、医学関係者がとくに憂慮するのは「コロナで長引く心の不調」です。精神的な落ち込みの原因としてコロナ流行の初期には、感染者への【社会的嫌悪感、制裁】がありました。仕事をやめざるを得なくなった、団体活動からはずされたなど、差別対象となり苦しんだ人は少なくありません。ショックやストレスで精神的不安が、うつ病などの引き金になった可能性があります。ＷＨＯは若年層や女性ほど、影響は深刻だったとしています。

　コロナによって生じる心身の不調は自然災害や戦争、経済恐慌と共通する部分があります。とくに若年層は以前の世代に比べ、ストレスへの耐性が少ない可能性があります。対策は新薬やワクチンに偏りがちですが「心のケアにもっと目を向けるべきだ」と精神・神経医療医はアドバイスしています。機能性に関する特許や論文など、科学的な裏付けを持っている東洋丹芝園の霊芝は、５類移行後も健康生活を楽しむ皆様の健康生活を応援します。