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健康コラム 『フレイル』

 弥生3月、いよいよ春の足音が聞こえてきました。人類が始めて出会った新型コロナが2019年末(令和元年)に発生してから、今年で足掛け5年目。密集・密接を避け外出の自主規制などで、運動量が減ってきた中高年層に「要介護状態や認知症の一歩手前の『フレイル』になる可能性が増えてきた」とする懸念の声が、医療関係者からあがっています。早めに適切な対策を取り生活を見直すことで、改善の余地があることが分かっています。間に合う内に、大切な健康を取り戻しましょう。


 フレイルとは英語で、虚弱・老衰・脆弱などを意味するFrailtyをもとに、2014年(平成26年)に日本老年医学会が提唱した造語です。糖尿病や高血圧など生活習慣病の罹患が高まる、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を『メタボ』。筋力の低下によって引き起こされる、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)を『ロコモ』と略称で呼び、社会に浸透しやすくなった事例をもとに言葉を決めました。高齢になって身体が老いて弱った状態のことで、健康的なときより心身は衰えているが、見守りや介護が必要なほどではない中間の段階を表しています。


 体がいう事を聞かなくなったのは、年のせいだとお考えの人が多いと思います。高齢者医療の進化とともに、自発的にまたは周囲の適切な助言や指導で、予防や回復が可能と受け止められるようになってきました。フレイル状態の高齢者は300~350万人いると推定されています。健康と虚弱のどちらに振れるかは、本人の今後の生き方や医療、介護体制など大きな影響があります。重要性を重視し2020年度から、75歳以上の後期高齢者を対象に、全国の自治体でフレイル検診が導入されました。自分がフレイルの状態かどうか知ることが大切です。


 日本フレイル基準では ①6カ月で2~3㌔以上の体重減少 ②ペットボトルのふたが開けにくい(握力、筋力低下) ③訳もなく疲労感を覚える(主観的疲労) ④青信号のうちに横断歩道を渡り切れない(歩行速度の減少) ⑤週に1度も軽い運動、定期的な運動、スポーツをしていない―とする5つのチェック項目を作成。早期発見を呼びかけています。5分前のことが思い出せますか、という設問もあります。1項目も思い当たらなければ健常です。1~2つ該当するは予備軍(プレフレイル)、3つ以上該当する人はフレイルが疑われるとしています。



 フレイルの主な症状は・歩行の障害、転倒・体重減少・関節や体の痛み・めまい・圧迫骨折(脊椎の骨折)・うつ・頻尿、失禁・せん妄(意識の混濁や幻想)・認知機能障害・摂食障害、飲み込みの障害・視力障害・貧血・難聴・感染症へかかりやすくなるなどです。フレイルは ①身体的(ロコモ、筋力の衰え=サルコペニア) ②精神的・心理的(定年退職、配偶者の死去、軽度認知症) ③社会的(社会とのつながり希薄化、独居、経済的)の、3つの側面があることを認識することが重要です。3つが連鎖的に反応して、自立度が低下してくるのです。老いは体からだけではありません。


 フレイルの予防は栄養、運動、社会参加が大切です。食事は活力を生み筋肉、体力を増強します。運動は体力維持だけでなく、心の健康や食欲、良い睡眠をもたらします。社会活動(趣味、ボランティア、地域のグループ参加)は、一人でする孤独な運動よりフレイルを防ぐという、研究グループのデータもあります。自分の状態と積極的に向き合い、いつまでも元気に毎日を送る。そんな高齢期を過ごすことは、ほとんどの人の希望でしょう。健康に関する特許を多数有している東洋丹芝園の霊芝は、長生きを喜び、長寿社会を楽しむ皆様を応援します。

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