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健康コラム 『春を乗り越えるために』

 新年度がスタートする4月は、1年の中でも大きな節目です。新入学や進級、社会人へのスタート、人事異動による役職や職種の変化。定年退職で長かった会社人生に、ピリオドを打った人もいるでしょう。新しい環境へ夢や期待は膨らみますが、環境や人間関係が大きく変わることの緊張や不安も高まります。自分は対応できるのか、心のどこかに疑問を抱える人も少なくないでしょう。人間健康科学医や精神科医は「うまく対処できないと心身不調になり、生活に支障をきたす恐れがあります」とアドバイスしています。


 一般的に人が新たな環境に溶け込むには、約3カ月を要すると言われています。これまでと違った人間関係の中に身をおくと、色々な方向にアンテナを向け、新たな情報を収集しようとします。得られた情報の重要度や段階を理解・整理しながら、少しずつ心身のバランスを整え、エネルギー配分を考えることができるようになります。これが《適応》とよばれる反応で、この先を見通せると感じる状態を言います。


 ただ、新たな環境の変化が、その人の容量を超えてしまうことがあります。もともと環境の変化への対応が、苦手だと感じている人。また入ってくる情報量が、いくつもの変化を伴って多過ぎる場合などです。憂うつ感や不安感などの精神的症状を発症。学校や職場に行きにくい、食事を残す、人付き合いが減るなど、行動面に変化が生じることがあります。これらは以降の社会生活に、大きな支障となるでしょう。これが《適応障害》です。5月病、6月病といわれる状態がこれに当たります。


 症状がうつ病や不安障害と似ていますが、医学的には「他の精神疾患の基準を満たしていない」と説明しています。これが適応障害の大きな特徴です。適切な対応を取ればうつ病や、その他の疾患に至らずに済むということです。まず、あわてず時間をかけ、慣れていこうと考えることが大切。環境や状況の変化を整理して、全ての事項に全力投球せず緩急をつけましょう。相談相手を見つけることも有効です。相手が答えを持っていなくても、話をすることでリラックス自身の頭の整理もできます。


 緊張することが多い春をどう乗り切るか。一番手軽にできる対処法は「呼吸への配慮」です。ストレスを強く感じると「息苦しい、息が詰まる」。リラックスできると「息抜きができた」と言います。精神(こころ)と呼吸は深い関係があります。人は1日に約2万回呼吸をしていますが、たいていは無自覚に吸い、吐いています。呼吸は自律神経と密接に結びついています。嫌なこと心配事があると心臓がドキドキし、呼吸は浅くなって速くなります。逆に整えれば不安を和らげ、落ち着かせることも可能です。


 ゆっくり深い呼吸は自律神経のリラックスに関係する、副交感神経の働きを促し気分が落ち着きます。また、心の動きを支配している大脳辺縁系の部分に働きかけ、人を落ち着かせ幸福感をもたらすセロトニンを増やします。呼吸を意識して「通常の倍ほどゆっくり吸い、ゆっくり吐くことで、セロトニンの分泌を活発にし、よりリラックスできる」と精神科医は推奨しています。この呼吸法は呼吸に関連する普段あまり使われない多くの臓器、筋肉系(首、肩周り、複数の腹筋)を活性化するプラス作用ももたらします。


 新たな環境に対応し慣れようとしている時は、アドレナリンが出て疲労感もさほど感じません。しかし、通常より緊張している時間が長いと、いつかは息切れしてダウンしてしまいます。ゆっくり時間をかけリラックスして、順番に目の前の問題、課題をクリアすることが大切です。被験者試験で『精神的疲労度の回復効果』が明らかとなった東洋丹芝園の霊芝は、新たな舞台へ希望を持って進む皆様の健康を応援します。

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