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健康コラム『骨を丈夫に保ちましょう』

 コロナ禍が一段落して、マスクをせず顔全体を出すことが生活の中で日常になってきました。マスク着用が個人判断に任されから化粧品の売り上げ、とくにスキンケア関連の需要が増加してきているようです。年齢を重ねるほど、顔のシワやたるみが気になります。皮膚のケアは女性だけでなく、男性にとっても大きな関心事です。ただ、ふけ顔は皮膚だけの問題ではありません。皮膚科医は「根本的な原因のひとつに、皮膚や筋肉の下の骨組織の萎縮や弱化にもあるのです。美容の基本的な要件として、骨を健康に保つことが大切です」と説明しています。


 加齢とともに顔の骨は衰え、いつの間にかやせて縮小してきます。筋肉を支えるじん帯がゆるくなり、たるみ(ハリや弾力がなくなり皮膚が垂れ下がる)、しわ(皮膚の表面にできる細かい筋目)が増えます。まぶたがくぼんで(目の周囲の脂肪組織の減少、目を支えるじん帯のゆるみ)、ほうれい線(鼻の両側から唇の両端にかけて八の字に伸びる鼻唇溝とも呼ばれるシワとは異なる線)が、目立って深くなってくるのも骨密度の低下からです。骨の萎縮は顔周辺だけで、起きるわけではありません。姿かたちなど見た目全体がふけて見えるのも、全身の骨量の低下が疑われます。


 約28日間~40数日でターンオーバーする皮膚ほど知られてはいませんが、骨も時間をかけ新陳代謝を繰り返しています。まず、破骨細胞が古くなった骨を壊します。続いて骨芽細胞が新しい骨を形成してゆくのです。3~5年ほどで全身の骨は入れ替わります。加齢は骨細胞の劣化を促し、代謝バランスを崩してゆきます。骨を破壊するスピードに骨形成が追いつかなくなると、全身の骨密度が足りずもろい状態になっていきます。進行すると骨粗しょう症を発症、初期は自覚症状がないため骨折などで分かるケースが多くなっています。


 発症しやすいのは破骨細胞と骨芽細胞のバランスを保つ働きがある『エストロゲン』の分泌量が、急激に減る50歳前後の閉経期の女性です。若い女性でも過度なダイエットなどでエストロゲンが減って、骨密度低下を招くことがあります。男性の骨密度減少は女性に比較して緩やかですが、加齢とともに確実に進んでゆきます。糖尿病、高血圧など生活習慣病で、骨折しやすくなる高齢男性も増加してきました。「大切なのは意識的に骨の代謝を促進させ、丈夫に保つ意識を持つことです」と、研究者は若年時から早期の実行をアドバイスしています。


 丈夫な骨を作るには主成分であるカルシウムやたんぱく質はもちろん、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、骨への定着を助けるビタミンK、代謝に役立つマグネシウムを含む食物を、バランスよく食べることが推奨されます。中でも牛乳はカルシウムを補給する、最良の食品です。便秘の解消、またアルツハイマー病予防にも効果があることが、近年の研究で分かってきました。このほか乳製品、大豆製品、ビタミンDが豊富な魚類、キノコ類、ビタミンB群が豊富な納豆、緑黄色野菜などがお奨めです。骨に刺激を与える軽い運動、短時間の日光浴もビタミンD生成に役立ちます。


 美容の原点は人体を形作る、根幹となる骨を丈夫にすることです。骨の強さを決めるのは骨量と骨質です。ビルで例えればコンクリートが骨量、鉄筋が骨質といえるでしょう。骨の強化は副次作用として、骨芽細胞が分泌するオステオカルシンというたんぱく質量をふやし、様々な臓器の働きを高めます。糖尿病、認知症、動脈硬化、筋肉の衰え、メタボリックへの予防と治療効果が報告されています。骨を強くすることは健康維持の促進に、重要な働きを期待できます。


 破骨細胞への分化を抑制する機能性を持ちながら、エスロトゲンと同じ働きも有している東洋丹芝園の霊芝は、骨の働きを理解してQOL(生活の質)を大切にする皆様の健康生活を応援しております。

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